2011年4月29日金曜日

facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男 ベン・メズリック



映画『ソーシャル・ネットワーク』を見のがしたので、原作本を読んだ。
ハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグフェイスブックを立ち上げ、それが急成長していくまでの成功物語を小説仕立てにしてある。まさに、コンピュータ版のアメリカンドリームだ。

原題は、"Accidental Billionaire"(偶発的な億万長者)というのだが、はたしてザッカーバーグの成功は偶発的なのだろうか

以前からあったSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の中で、フェイスブックが爆発的な人気を得て広がっていったのは、そこに特筆すべき特徴があったからに違いない
小説では会社発展をめぐる人間模様の描写に重点がおかれていて、それはそれで面白いにしても、これほどの人気の秘密がどこにあるかという根本的なところを知りたいと思った。

マーク・ザッカーバーグは、自分の好きなことに徹底的にのめりこんだ。結果として巨万の富を得たけれど、そんなことには関心がなく、ただ自分のすばらしいアイデアによって世界を変革することに心血をそそいでいるのだ。
好きこそものの上手なれ、とは言っても、なかなか凡人にできることではない。まず、自分が徹底的にのめりこめる対象をみつけるのが、意外にむずかしい。そして、好きなもののために、学業やら保証された仕事などをも投げ打ってしまう、ということが普通はできない。さらに、そののめりこんだものが社会的にも評価されて大成功になるのは稀有のことである。

フェイスブックの特徴は参加者が顔と名前をみせること、それによってネット空間が現実の延長となる。このことは、まさにコロンブスの卵であった。誰もが思いつけたはずなのに思いつけなかった、そのことを実現してみせたザッカーバーグは、やはり天才であろう。

これは単に頭のよさの問題ではない。多くの人がそれを思いつけなかったのは、社会通念にしばられていたからだろう。彼には、そんなことをものともしない、ある種アナーキーなところがあったのだと思う。そしてそのアイデアの実現が、大学生という人生でもっとも冒険的な年代の人々の間ではじめに爆発した、というのもまた偶然ではないだろう。

とにかくフェイスブックには、社会にあるいろいろな壁をぶちこわしていこうという、変革のパワーがある

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