2011年5月31日火曜日

フェイスブック 若き天才の野望 デビッド・カークパトリック



以前に、facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男 ベン・メズリック」という本の記事を書いた。記事に書いたように、ベン・メズリックの本はあくまでも小説であって、おもしろくは書かれているけれど、facebookがどうしてこれ程に成功したのかという、その本質にまでは迫れていないように思えた。


今回読んだデビッド・カークパトリックの本は、まさにそのような欲求に答えてくれるものだった。
そしてその答えは、まさに私が前記事で述べた、自己開示の問題だったのだ。


フェイスブックの創設者であるマーク・ザッカーバーグは、この点について信念を持っている。
以下は、本書から引用した彼の言葉である。


アイデンティティーはひとつだけ


「仕事上の友だちや同僚と、それ意外の知り合いと異なるイメージを見せる時代は、もうすぐ終わる」


「2種類のアイデンティティーを持つことは、不誠実さの見本だ」


ザッカーバーグは、金儲けのためでなく、自分の信念に基づいたソーシャル・ネットワーク・サービスを実現することにのみ、心血をそそいだのであった。
フェイスブックが、そのような「思想」に裏打ちされたものであることは、使っていてよくわかる。私が感銘を受けたのも、まさにその思想であったのだと思う。


本書は前のベン・メズリックの本に比べて分量的に2,3倍くらいあり、ザッカーバーグをはじめ主要人物への綿密な取材に基づいて書かれているだけに、内容的にも信頼できそうだ。
ビジネスの話や、コンピュータの話題は専門的で理解しにくいところも多かった。

おもしろかったのは、ザッカーバーグと仲間たちがプログラミング・プロジェクトをすすめていくくだりだ。まるで大学文化祭のために徹夜で準備するようなノリで、こんな風に仕事ができたらさぞかし楽しいだろうな。

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